2016年8月25日木曜日

家庭菜園>農薬(殺虫剤)について調べてみた

IRACによる分類

注1)MG:メイングループ№ SG:サブグループ№ 
注2)*=複合剤(赤字)
注3)殺虫剤作用機構分類はこちら
注4)印は、各グループ内で作用点が共通するとは考えられないので、交差抵抗性が認められない限り、グループ内で自由にローテーションしてもよい。




MG

注1・4
1次作用部位 SG

注1
代表的
有効成分
商品名・成分名

注2
特徴





1 アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤 1A カーバメート化合物 NCS(カーバム)
アストロ(BPMC)
アドバンテージ(カルボスルファン)
アプロードバッサ(ブプロフェジン+BPMC)*
アプロードバッサモンカット
 (ブプロフェジン+BPMC+フルトラニル)*

オリオン(アラニカルブ)
オンコル(ベンフラカルブ)
ガゼット(カルボスルファン)
グランドオンコル(ベンフラカルブ)
グリーンベイト(NAC)
シバラック(BPMC)
デナポン(NAC)
バイデート(オキサミル)
みみんず(MIPC)
ラービン(チオジカルブ)
ランネート(メソミル)
リラーク(チオジカルブ)
●作用は有機リン剤と似ているが、働きが異なるため、有機リン剤と抵抗性が重ならない。
●熱、太陽光、酸に安定であるが、アルカリ性で分解されやすい。
●有機リン剤に次いで種類が多い。
1B 有機リン酸系 アクテリック(ピリミホスメチル)
エチメトン(エチルチオメトン)
エチメトン(ダイアジノン)
エルサン(PAP)
エンセダン(プロフェノホス)
オルトラン(アセフェート)
ガットキラー(MEP)
ガットサイドS(MEP)
カルホス(イソキサチオン)
カルモック(イソキサチオン)
グリーンカルホス(イソキサチオン)
サイアノックス(CYAP)
サッチューコートS(MEP)
ジェイエース(アセフェート)
シバラックMC(MEP)
ショットガン(ダイアジノン)
スプラサイド(DMTP)
スミチオン(MEP)
スミパイン(MEP)
ダーズバンDF(クロルピリホス)
ダイアジノンSL(ダイアジノン)
トクチオン(プロチオホス)
トラサイドA(MEP)
トラサイドA(マラソン)
ネキリエースK(イソキサチオン)
ネマキック(イミシアホス)
バークサイドF(MEP)
バイジット(MPP)
マラソン(マラソン)
ヨトーダン(ピリミホスメチル)
●種類が多く、市販されている殺虫剤の多くを占める。
●分解が早く、残効性は期待できない。
●アルカリ性で分解するため、アルカリ性の農薬(ボルドーや石灰硫黄合剤)と混用できない。
●低毒性ではあるが、作業中に薬剤を浴びたり吸わないこと。
2 GABA作動性塩素イオンチャネルブロッカー 2A 環状ジエン有機塩素系 ペンタック水和剤(ジェノクロル) 紫外線による分解が早い。
2B フェニルピラゾール系 (フィプロール系) キラップ(エチプロール)
プリンス(フィプロニル)
浸透移行性があり、残効が長い。
3 ナトリウムチャネルモジュレーター 3A ピレスロイド系
ピレトリン系
アーデント(アクリナトリン)
アグロスリン(シペルメトリン)
アディオン(ペルメトリン)
園芸用キンチョールE(ペルメトリン)
エンバーMC(ペルメトリン)
ガードベイト(ペルメトリン)
サイハロン(シハロトリン)
サニーフィールド(エトフェンプロックス)
シラトップ(シラフルオフェン)
スカウト(トラロメトリン)
テルスター(ビフェントリン)
トレボン(エトフェンプロックス)
パンチショット(ビフェントリン)
フォース(テフルトリン)
マブリック(フルバリネート)
MR.ジョーカー(シラフルオフェン)
ロディー(フェンプロパトリン)
●除虫菊の研究から開発されたもの。
●主な作用は神経麻痺。
●有機リン剤やカーバメート系薬剤と作用がまったく異なるので、抵抗性が重ならない。
●速効性で、残効性があるものが多い。
3B DDT
メトキシクロル
- 製造中止
4 ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)競合的モジュレーター 4A ネオニコチノイド系殺虫剤 アクタラ(チアメトキサム)
アドマイヤー(イミダクロプリド)
アトラック(チアメトキサム)
アルバリン(ジノテフラン)
イールダー(アセタミプリド)
エコワン(チアクロプリド)
クルーザー(チアメトキサム)
スタークル(ジノテフラン)
タフスティンガー
 (イミダクロプリド+フルベンジアミド)*
タフバリア(イミダクロプリド)
ダントツ(クロチアニジン)
バリアード(チアクロプリド)
ビートルコップ(チアメトキサム)
フルスウィング(クロチアニジン)
ベストガード(ニテンピラム)
マツグリーン(アセタミプリド)
モスピラン(アセタミプリド)
モリエート(クロチアニジン)
ワンリード(クロチアニジン)
ワンリードSP(クロチアニジン+スピネトラム)*
●アブラムシ、スリップス、コナジラミ等に効果が高い。
●神経マヒ作用で、摂食や産卵を防止する。
●浸透移行性強く、速効性で、効果が持続する
●人畜毒性が低い。(?)
●ミツバチ集団死の原因。
4B ニコチン -
4C スルホキシミン系 -
4D ブテノライド系 -
4E メソイオン系 -
5 ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アロステリックモジュレーター - スピノシン系
(マクロライド系)
カリブスター(スピノサド)
スピネアタック(スピネトラム)
スピノエース(スピノサド)
ディアナ(スピネトラム)
ワンリードSP(クロチアニジン+スピネトラム)*
チョウ目に効果が高い。
6 グルタミン酸作動性塩素イオンチャネル(GluCl) アロステリックモジュレーター - アベルメクチン系
(マクロライド系)
アグリメック(アバメクチン)
アファーム(エマメクチン安息香酸塩)
ショットワン(エマメクチン安息香酸塩)
●主に食毒により殺虫活性を示し、効果の発現は速効的
●野外での分解が速く、残効は短い
●殺虫活性は広く、チョウ目、アザミウマ目、ハエ目、カメムシ目害虫等に効果を示す。殺ダニ活性を持つものもある
●摂食を阻害する効果がある
●植物体上の浸透移行性は無い
●感受性低下が生じにくい。
- ミルベマイシン系
(マクロライド系)
コロマイト(ミルベメクチン)
マツガード(ミルベメクチン)
ミルベノック(ミルベメクチン)
9 弦音器官TRPVチャネルモジュレーター 9B ピリジン アゾメチン誘導体 チェス(ピメトロジン) ●神経系に作用し速やかに害虫の吸汁行動を阻害して、加害を抑制する。害虫は衰弱してやがて餓死する。 害虫種によっては、殺虫効果が発現するまでに3~7日を要するため、害虫密度が低い発生初期に処理する。
●ウンカ類、ヨコバイ類、アブラムシ類、コナジラミ類、カメムシ類等のカメムシ目害虫に特異的に効果を発揮する
●植物体上の浸透移行性が高い
●天敵類やハチ類に影響が少ない。ただし、ハナカメムシ類の摂食行動に短期的に影響を与えた事例がある

14 ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)チャネルブロッカー - ネライストキシン系 パダン(カルタップ)
エビセクト(チオシクラム)
リーフガード(チオシクラム)
ルーバン(ベンスルタップ)
●死ぬまでにはかなり時間がかかるが、神経マヒは速やかに起こり、摂食を阻害するため、食害は最小限に止まる。
●残効性あり。
19 オクトパミン受容体アゴニスト - アミトラズ ダニカット(アミトラズ)
22 電位依存性ナトリウムチャネルブロッカー 22A オキサジアジン系 トルネード(インドキサカルブ)
ライトニング(インドキサカルブ)
●薬剤を処理された虫は、抑制的な麻痺状態となり、摂食行動や移動行動が止められ、死亡に至る。
●チョウ目に効果を示し、齢期の進んだ幼虫にも効果がある
●植物体への浸透移行性は弱い
●天敵や有用昆虫に影響が小さい。
22B セミカルバゾン系 アクセルフロアブル(メタフルミゾン)
29 弦音器官モジュレーター(標的部位未特定) - フロニカミド ウララ(フロニカミド) ●害虫の吸汁を速やかに阻害し、加害を抑制する。害虫が衰弱して茎葉から脱落するまでに数日かかるため、見掛け上は遅効的である。
●アブラムシ類、ヨコバイ類などのカメムシ目害虫や、アザミウマ類に効果を示す
●植物体上の浸透移行性が高い
●有効成分が植物体内に取り込まれるため、降雨による影響が少ない
●天敵昆虫、訪花昆虫に影響が少ない
28 リアノジン受容体モジュレーター - ジアミド系 アセルプリン(クロラントラニリプロール)
エスペランサ(シアントラニリプロール)
サムコル(クロラントラニリプロール)
スティンガー(フルベンジアミド)
タフスティンガー
 (フルベンジアミド+イミダクロプリド)*
フェニックス(フルベンジアミド)
フェニックス(フルベンジアミド)
フェルテラ(クロラントラニリプロール)
プレバソン(クロラントラニリプロール)
ベネビア(シアントラニリプロール)
ベリマーク(シアントラニリプロール)
●害虫の筋肉を収縮させて摂食行動を阻害し、食害抑制効果を発揮する。食毒で作用すると考えられる。
●チョウ目に効果が高く、残効も長い。





12 ミトコンドリアATP合成酵素阻害剤 12A ジアフェンチウロン ガンバ水和剤(ジアフェンチウロン) 薬害が出やすく、水産動物に悪影響。
12B 有機スズ系殺ダニ剤 オサダン(酸化フェンブタスズ) ナミハダニ黄緑型で感受性低下。製造販売中止、劇物指定。
12C プロパルギット オマイト乳剤(BPPS) ナミハダニ黄緑型で感受性低下。
12D テトラジホン テデオン乳剤(テトラジホン) ハダニ類の卵、孵化幼虫に効果。
13 プロトン勾配を撹乱する酸化的リン酸化脱共役剤 - ピロール・ジニトロフェノール・スルフラミド コテツ(クロルフェナピル) ●チョウ目、ハダニ類に効果的。
ハダニ類では感受性低下。
20 ミトコンドリア電子伝達系複合体Ⅲ阻害剤 20A ヒドラメチルノン -
20B アセキノシル カネマイト(アセキノシル) バラ科で薬害
20C フルアクリピリム タイタロン(フルアクリピリム) キク科の幼苗で薬害
20D ビフェナゼート -
21 ミトコンドリア電子伝達系複合体Ⅰ阻害剤(METI) 21A METI剤 サンマイト(ピリダベン)
ダニトロン(フェンピロキシメート)
ハチハチ(トルフェンピラド)
ピラニカ(テブフェンピラド)
マイトクリーン(ピリミジフェン)
茶のカンザワハダニ、ナミハダニ黄緑型゛感受性低下
21B ロテノン -
24 ミトコンドリア電子伝達系複合体Ⅳ阻害剤 24A ホスフィン系 -
24B シアニド -
25 ミトコンドリア電子伝達系複合体Ⅱ阻害剤 25A β-ケトニトリル誘導体 スターマイト(シエノピラフェン)
ダニサラバ(シフルメトフェン)
●天敵・有用昆虫に影響が小さい。
●ナミハダニ黄緑型では、感受性低下が著しい。
25B カルボキサニリド系 ダニコング(ピフルブミド) 天敵・有用昆虫に影響が小さい。









G
R
7 幼若ホルモン類似剤 7A 幼若ホルモン類縁体 -
7B フェノキシカルブ -
7C ピリプロキシフェン プルート(ピリプロキシフェン)
ラノー(ピリプロキシフェン)
オンシツコナジラミに効果が高い。
10 (殺ダニ剤)ダニ類成長阻害剤 10A クロフェンテジン
ジフロビダジン
ヘキシチアゾクス
カーラ(クロフェンテジン)
ニッソラン(ヘキシチアゾクス)
●ハダニ類の刹卵剤。
●ナミハダニ黄緑型に感受性低下。
10B エトキサゾール -
15 キチン生合成阻害剤、タイプ0 - ベンゾイルウレア系殺虫剤 アタブロン乳剤(クロルフルアズロン)
カウンター乳剤(ノバルロン)
カスケード乳剤(フルフェノクスロン)
ナイスイーグルSC(クロルフルアズロン)
ノーモルト乳剤(テフルベンズロン)
マッチ乳剤(ルフェヌロン)
●新しい皮が出来なくなり死滅。
●ミツバチや天敵(ハチ類)などに影響が少なく、人畜に低毒性。
●アブラムシなどには効果が低い。
16 キチン生合成阻害剤、タイプ1 - ブプロフェジン剤 アプロード(ブプロフェジン)
アプロードバッサ(ブプロフェジン+BPMC)*
アプロードバッサモンカット
 (ブプロフェジン+BPMC+フルトラニル)*
●コナジラミ類、カイガラムシ類の若齢幼虫に選択的に効果が高く、成虫には効果がない。
●これを処理した成虫が生んだ卵はふ化できなくなり、遅効性であるが、残効性が長い。
●天敵類に影響がない。
17 脱皮阻害剤、ハエ目昆虫 シロマジン トリガード液剤(シロマジン) ハエ目に効果が高い。
18 脱皮ホルモン(エクダイソン)受容体アゴニスト - ジアシル-ヒドラジン系 ガードワン(テブフェノジド)
グレモSC(メトキシフェノジド)
ファルコン(メトキシフェノジド)
マトリック(クロマフェノジド)
ロムダン(テブフェノジド)
●キチン生合成阻害剤より速効性で、残効性が極めて長く、鱗翅目に特異的に効果あり。
●天敵や有用昆虫には効果がない。
23 (殺ダニ剤)アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤(代謝系阻害) - テトロン酸およびテトラミン酸誘導体 ダニエモン(スピロジクロフェン)
クリアザール(スピロメシフェン)
ダニゲッター(スピロメシフェン)
モベント(スピロテトラマト)
●ハダニの刹卵剤。ホコリダニ、サビダニにも有効。













由来
11 Bacillus thuringiensis
(BT剤)
11A Bacillus thuringiensisと生産殺虫タンパク質 STゼンターリ[ク/生菌]
エコマスターBT[ア/生菌]
エスマルクDF[ク/生菌]
ガードジェット[ク/死菌]
クオーク[ア/生菌]
サブリナ[ア/生菌]
ジャックポット[ア/生菌]
セレクトジン[ア/生菌]
ゼンターリ[ア/生菌]
ダイポール[ク/生菌]
チューンアップ[ク/生菌]
デルフィン[ク/生菌]
トアローCT[ク/死菌]
トアローCT[ク/死菌]
バイオマックスDF[ク/生菌]
バシレックス(カダン)[ク・ア/生菌]
バシレックス[ク・ア/生菌]
ファイブスター[ク/生菌]
ブイハンター[ブイブイ/生菌]
フローバックDF[ア/生菌]
レピターム[ア/死菌]
 ア=アイザワ
 ク=クルスターキー
●鱗翅目害虫に選択的に作用(それ以外には効かない)
●死ぬまでの時間がかかるが、消化管(内臓)に障害が起こり、速やかに食害を止める
●若齢幼虫ほど効果が高い
Bacillus sphaericus 11B Bacillus sphaericus -









8 その他の非特異的(マルチサイト)阻害剤 8A ハロゲン化アルキル
8B クロルピクリン クロールピクリン ●土壌消毒剤
●事故が多いので注意。
8C ホウ酸塩
8D 吐酒石
8E メチルイソチオシアネートジェネレーター バスアミド(ダゾメット)
ガスタード NCS(カーバム)
●土壌消毒剤
UN 機序不明 - アザジラクチン ニームオイル(ニーム抽出物) ●インドセンダン( Indian Neem,Azadirachta indica )の種子から得られる。
●主成分のアザジラクチン は、数種の昆虫に対して摂食阻害活性あり。
- ベンゾキシメート ?
ダニ駆除剤
- ブロモプロピレート ?
- キノメチオナート ?
殺虫剤・殺菌剤・ダニ駆除剤
- ジコホル ケルセン ●有機塩素系化合物
●日本では販売中止
- GS-オメガ/カッパHXTX-Hv1aペプチド ?
- 石灰硫黄合剤 石灰硫黄合剤 無機イオウ
- 硫黄 イオウフレアブル
コロナフロアブル
サルファーゾル
硫黄粉50
硫黄粒剤
サルファグレン
- ピリダリル プレオ ●細胞毒で殺虫活性を示すが、詳細についてはまだはっきりしていない点がある。
●ア チョウ目及び一部のアザミウマにも効果を示す。
●散布後の降雨による影響が少なく、残効が長い
●植物体上の浸透移行性は少ない
●エ ミツバチ、マルハナバチや天敵に影響が少ない


農薬の剤型について

製剤
性状
剤型名 略号 意味 特性 散布
方法






固体 粉剤 D dust for multilation ●農薬原体をクレーなどの増量剤で希釈し、必要に応じて分解防止剤などを加え、粒径44μm以下、平均粒径10μm程度の微粉に製剤化したもの。
DL粉剤 DL drift less  ●有効成分、凝集防止剤、分解防止剤、帯電防止剤、増量剤などからなる微粉状の製剤
●ドリフト防止(飛散防止)を施してある
●粒径は20~30μmで10μm以下の粒子を20%以下にした製剤
●希釈が不要なので比較的散布が簡単
フローダスト剤 FD flow dust ●粒径5µm以下
●施設内に動噴で散布すると浮遊、拡散して作物体に均一に付着する。
●粉剤の漂流性を最大限にを利用した製剤。
粒剤 G granule ●有効成分、結合剤、崩壊剤、分散剤、増量剤からなる粒状の製剤
●粒径300~1700μm
●散布する時、風に乗って農薬が飛ばされるのを防止
粉粒剤 微粒剤 MG micro granule ●粉剤の代替としてドリフトを少なくする目的で開発された
●粒度範囲63~212µm
微粒剤F MGF micro granule fine ●粉剤の代替としてドリフトを少なくする目的で開発された
●微粒と粒径44~105µmの粗粉からなる製剤
細粒剤F FG fine granule ●登録上粉粒剤に該当。
●粒径が180~710µmの製剤。
●畑地用除草剤として、水利の悪い耕地でも、そのまま使えるようにしたもの。
水和剤 WP wattable power ●有効成分、界面活性剤、増量剤からなる微粉状の製剤
●使用時は、水で希釈して使用
●広い範囲の有効成分を製剤化でき、植物への影響も少ない
●水和剤を水溶性フィルムで包装し、薬液調製時に粉立ちしないようにしたものもある
顆粒水和剤 WDG water dispersible granule ●有効成分を界面活性剤、増量剤とともに顆粒状にした製剤
●水中に投入すると速やかに崩壊、分散
●顆粒状のため水和剤に比べて粉立ちがなく、使いやすい
ドライフロアブル剤 DF dri flowable
水溶性包装製剤 WED water soluble bag ●水和剤を水溶性の膜で包装した製剤。
●製剤調製時の粉立ち防止と簡便性を図った製剤。
錠剤 T tablet ●水和剤、水溶剤を固形化させ扱い易くした製剤。
●最近は粒子状、ゲル上の剤を薄膜等で包装した製剤も含まれる。
水溶性包装製剤 WSB water soluble bag ●主として水和剤を水溶性の袋(ポリビニルアルコールなど)で包んだ製剤。
●水和剤のように薬液調製時の発塵がなく、そのまま水に投下できる。
パック  ●粒剤をポリビニルアルコール(PVA)などの膜で包んだ製剤。
●包装は水に投下後に溶解するようになっているため、外包開封後は吸湿に注意する必要がある。
1キロ粒剤 LVG low voliume granule ●3kg粒剤の有効成分量をほぼ3倍にし、粒径をやや大きめにして飛散距離が出るようにした製剤。
●水中での薬剤の広がりがよくなるように工夫して、1粒がカバーできる面積を大きくしている。
ジャンボ剤 JB jumbo  ●水田除草剤で開発されている製剤。
●1個50gのタブレット錠や粒剤50gを水溶性フィルムで包装したパックタイプなどがある。
●タブレットタイプのものには発泡剤が入っており、水中に薬剤が拡散するようになっている。
●パックタイプのものは水溶性フィルムが破れると薬剤粒子が水面に漂い、拡散するように浮遊性を持たせてある。
液体 乳剤 EC emulsifiable concentrate ●水に溶けにくい成分を水中で均一に分散するように界面活性剤、乳化剤を加えて安定化させた製剤。
●水希釈後は乳剤と同じ性質を持つ。
エマルジョン剤 EW emulsion oil in water ●成分を水溶性のポリマー等で被覆することにより水に分散させた製剤。
●調整後の性状は乳剤と同じ。
●有機溶剤を用いないので危険物に該当しない。
液剤 L liquid formulation ●水溶性の成分を液体製剤としたもの。
●原液あるいは水に希釈して用いる。
水溶剤 SP water soluble powder ●水溶性の成分を粉末あるいは粒状にした固形剤。
●水に希釈すると容易に水溶液となる。
SG water soluble glanule
マイクロエマルション ME micro emulsion ●水に溶けない成分を少量の有機溶剤、界面活性剤で水に分散させた液体の製剤。
●水希釈後は安定な液剤となる。
油剤 - oil solution ●原体をそのまま、あるいは有機溶剤に溶かした油状製剤。
●一般に製剤のまま用いる。
サーフ剤
(水面展開剤)
- - ●形態、性状は油剤に同じ。
●施用法として水田の田面水に展開させるタイプの製剤。
フロアブル剤 FL flowable ●成分の微粒子を水に分散させた粘稠な液状の製剤
●水に希釈液の懸濁性は水和剤より優れる。
SC剤 SC suspension concentrate
サスポエマルション SE suspoemulsion ●SC(フロアブル)剤とEW剤が一つの製剤に同時に含まれているもの。
●特性はSCとほぼ同じ。
マイクロカプセル MC microcapsule ●高分子物質の薄膜で有効成分を覆った微粒子
●光分解や揮散による薬剤の消失を抑えて持続性を高めるとともに、膜の性質や厚さを変えることにより薬剤の放出が制御できる。
●農薬ではMCを水に懸濁させたスラリー状の製剤が用いられている。
サイクロデキストリン CD CycloDextrin ●サイクロデキストリン分子の中空部に農薬の有効成分を取り込み結合させた 製剤。
●光、温度などの影響を受けにくくなり、有効成分の安定性が良くなる。
AL剤 - applicable liquid そのまま使用できる濃度にあらかじめ希釈した水ベースの薬液製品
その他 くん煙剤 - ●加熱により有効成分をガス(空中では冷えて微粒子になる)化して使用するための製剤。
●自燃式のものは製剤中に発熱剤を含んでいる。
くん蒸剤 - 当該農薬の有効成分または有効成分に由来する活性物質を密閉またはそれに相当する条件下で気化させて、殺虫・殺菌などに用いる剤。
エアゾル - earosol ●缶入りのスプレー。缶のガスで直接薬剤を微粒化して散布する。
●手軽なため、家庭園芸用として販売されている。 
塗布剤 - 主として、農作物などの一部に塗布し、またはこれに類似する方法で使用する薬剤。
ペースト剤 - 糊状の製剤であって、他の剤型に該当しないもの。


※引用
1)  農薬の分類の分類(http://www.tv-naruto.ne.jp/gregarina/K1A3.html)
2)  殺虫剤の種類と農薬抵抗性(https://www1.gifu-u.ac.jp/fukui06-4-04.html)
3)  農薬の毒性(https://www1.gifu-u.ac.jp/fukui04-10-1.html)
4)  殺虫剤の作用機構分類(IRACによる)(JCPA (2016.6.30))
5)  殺虫剤抵抗性マネージメントの要点(IRAC):壁に張出す一覧表
6)  日本における農業用殺虫剤の作用機序(https://www.jcpa.or.jp/labo/pdf/2015/mechanism_irac02.pdf)
7)  殺虫剤の特徴と使用上の注意事項(http://www.s-boujo.jp/kihon/file/14sonota/1403.pdf)
8)  農薬の剤型とその特性(http://www.pref.aichi.jp/byogaichu/tebiki/zaikei.pdf)
9)  製剤や剤型とはどのようなものですか。(http://www.jcpa.or.jp/qa/a4_03.html)
10)農薬剤の形態状別分類(http://www.page.sannet.ne.jp/ja1jor/pdf/noy_type.pdf)

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